腎臓疾患

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腎臓疾患について

慢性腎炎

慢性腎炎

慢性腎炎とは、何らかの原因で持続的に腎臓が不調となり、本来体内に残るべきタンパク質や血液が尿として排出される疾患を指します。
自覚症状がほとんどないため、健康診断で偶然に発見されたり、尿検査で異常が指摘されたりすることが多いです。
稀に、目のまわりや足のむくみ、視認できる血尿、尿が泡立つといった症状で気づくケースもあります。

慢性腎炎には多様な疾患が含まれ、これらは腎臓の機能に影響を及ぼさないものから、時間とともに腎臓の働きが低下し、最終的に腎不全に至るものまで様々です。
そのため、尿検査で異常を見つけた場合、その原因を詳しく調べることが重要となります。

腎不全

腎不全は、何らかの原因で腎臓の働きが低下した状態を指し、その程度により様々な症状が現れます。
腎不全は大きく、「急性腎不全」と「慢性腎不全」に分けられます。
急性腎不全は一時的なもので、適切な治療で腎臓の機能が回復する可能性がありますが、慢性腎不全は徐々に進行し、回復は難しいです。

慢性腎不全の主な原因には、糖尿病、慢性腎炎、高血圧などがありますが、近年では糖尿病による腎不全が増えています。
腎不全が進行し、尿毒症に至ると、透析治療が必要となります。

尿毒症の初期症状は一般的には非特異的で、全身の疲労感、吐き気や嘔吐、食欲減退などが見られます。
しかし、これらの症状はしばしば見過ごされがちで、病状が進行すると、より深刻な問題、例えばけいれんや意識の混濁などが起こり得ます。
これらの症状は患者様の生命に直接的な影響を及ぼす可能性があるため、早期の発見と適切な治療が重要となります。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)とは、慢性的な経過をたどるすべての腎臓病のことです。
あまり耳にすることのない疾患かもしれませんが、実際には1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)が患っていると推定され、新たな国民病とも指摘されています。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病、メタボリックシンドロームとの関連が深く、誰もが罹患のリスクを持っています。

腎臓は体を健康な状態に保つために不可欠な臓器であり、慢性腎臓病(CKD)によりその機能が徐々に低下すると、多様な健康リスクが生じます。また、“沈黙の臓器”とも称される腎臓は、疾患が進行しても自覚症状が少ないため、早期に発見し治療を始めることが重要です。

腎臓の機能について

腎臓は、私たちの体が健康な状態を維持するのに不可欠な臓器です。
腎臓は豆の形をした小さな臓器で、それぞれのサイズは握り拳ほどで、腰の辺りに左右一対として存在します。
主要な機能として、以下の5つが挙げられます。

老廃物を排出

腎臓は血液をフィルタリングし、老廃物や過剰な塩分を尿として体外に排出します。
一方で、体に必要な要素は再吸収し、体内に保持します。
腎臓の機能が低下すると、尿の生成が減少し、老廃物や毒素が体内に蓄積され、これが尿毒症の原因となります。

血圧を管理

腎臓は、体内の塩分と水分の排出量を調節することで血圧を管理します。
血圧が高い時は、塩分と水分の排出を増やすことで血圧を下げ、血圧が低いときはその逆を行います。
また、血圧を保つためのホルモンも腎臓から分泌されます。
腎臓の機能不全は高血圧を引き起こす可能性があり、逆に高血圧は腎臓にストレスをかけ、その機能を低下させることもあります。

血液の生成

血液(特に赤血球)は、腎臓から分泌されるホルモン(エリスロポエチン)の刺激を受けて骨髄内の細胞により生成されます。
腎臓が機能不全になると、このホルモンの分泌が低下し、その結果、血液の生成が遅れ、貧血の状態になります。

体液量・イオンのバランス調整

腎臓は、体内の水分量とイオンのバランスを調整し、必要なミネラルを体内に取り込む役割も担っています。
腎臓の機能が低下すると、体液の調節が上手くいかなくなり、むくみが生じます。
また、イオンのバランスが崩れると、疲労感やめまいといった様々な不調が現れる場合があります。

強固な骨を形成

骨の成長にはいくつかの臓器が関与しますが、その中でも腎臓は重要な役割を果たしています。
腎臓は、カルシウムを体内に吸収するために必要な活性型ビタミンDを生成します。
腎臓の機能が低下すると、この活性型ビタミンDの生成が低下し、カルシウムの吸収が不十分になり、骨が弱くなるといった症状が生じることがあります。

腎臓病を予防するために

腎臓病は生活習慣病の一種です。
腎機能を維持するためには、日々のライフスタイルに注意を払うことが重要です。

喫煙

喫煙

喫煙は、慢性腎臓病(CKD)の発生と進行に影響を及ぼすとされています。
さらに、心血管疾患など多くの病気のリスク因子でもありますので、禁煙に取り組むようにしましょう。
当院では禁煙外来も行っておりますので、禁煙をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

過度なアルコールの摂取

適量のアルコール摂取は、慢性腎臓病のリスク因子ではありませんが、過度の飲酒は慢性腎臓病や末期腎不全のリスク因子となる可能性があるので、注意が必要です。

運動不足

糖尿病や高血圧の発症を抑制し、適正な体重を維持するためには、運動が重要です。
ご自身の体力や健康状態に応じて、適度な運動を継続的に行うようにしましょう。

不規則な生活

無理な残業などの過労を避け、十分な睡眠を取ることが大切です。
また、ストレスも病気発症の大きな要因となります。

慢性腎臓病(CKD)の発症・進行を抑える生活習慣は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満・高血糖・高血圧・脂質異常)と共通しています。
つまり、これらの生活習慣を改善することは、慢性腎臓病(CKD)だけでなく、様々な病気の予防に有効と言えます。

腎臓の健康チェック

□ 健康診断時の尿検査で、異常を指摘された
□ 尿の色がいつもと違う
□ 尿が泡立っている
□ 周囲から「顔色が悪い」と言われたことがある
□ 疲労が蓄積しやすく、休息を取っても疲れが抜けにくい。息切れがする
□ 靴や指輪が突然きつくなった、または体がむくんでいるように感じる

このような異変・症状がありましたら、奥田クリニックへお早めにご相談ください。

腎臓疾患の検査方法

早期発見のための検査

尿検査

尿中にタンパク質や血液が漏れていないかを検査します。
ただし、一度の検査だけでは確定的な診断は難しく、発熱や激しい運動後などに一時的にこれらの成分が出ることもあります。
そのため、一度異常が検出された場合でも、必ず2~3回検査を行い、結果を確認します。

健康診断の一部として一般的に行われる検査で、専用キットを使えばご自宅でも実施可能です。

病状の進行度を確認する検査

血液検査

定期的な健康診断で一般的に行われる検査により、腎臓の働きを評価します。
検査項目のうち、特に重要なのが血清クレアチニン値です。
この数値を調べることで、腎臓の働きを評価し、状態が確認できます。

詳細な診断を行う検査

画像診断

超音波検査(エコー)や腹部CTなどを使用し、腎臓の形状、大きさ、合併症(腫瘍や結石など)の有無などを調べます。

腎生検

腎臓の組織を採取し、顕微鏡で詳細に検査することにより、正確な診断を目指します。
腎臓の細胞レベルでの状態を詳細に把握し、適切な治療方針を立てることが可能となります。

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